
2025/07/29 旭町を元気に
今も勉強中 ~旭の農業を支える人~ 平井 精一さん
「旭町の農業について聞くなら、精ちゃんに聞いたらいい」と、よく耳にします。
誰もが頼るその人こそ、平井精一さん。
今回はそんな平井さんに、旭町の農業への想いや歩みを伺いました。

■ 農業に関わるようになったきっかけ
亀岡市農協に36年間勤務し、退職後に家業の農業へ。
お父様と一緒に農作業をしながら、地域の農事組合法人「旭」の役員に選ばれ、作業オペレーターをまとめる役割を担うようになりました。
特に乾燥機施設の管理は「人さまのお米を預かる仕事。品質を落とさないように、毎回緊張しています」と、責任感と誠実さがにじみ出る言葉です。

■ これからの農業を見つめて
「旭町の農業を守っていくには、やはり若者との連携が大切です」と話す平井さん。
高齢化が進む中、法人が預かっている農地も多く、これを活かして若い人たちと一緒に農業を守っていきたいと語ります。
「役員会で若者の意見を聞くと『なるほど!』と思うことも多い。新しい視点は本当に大事です」と、前向きな姿勢が印象的でした。

■ 旭町の農業の魅力
「旭町の野菜や米は、豊かな水と空気に育まれています。だからこそ、大切に守っていきたい」と平井さん。旭町では、他の地域のような団体での生産ではなく、個人の農家がそれぞれの名前で野菜を販売しています。
「“自分の名前がブランドになる”という意識が、地域全体のブランド力につながっている」と力強く語ります。特に「なごみの里あさひ」では、生産者の名前が見えることで、買い手にも安心と信頼が生まれているのです。

■ 若者との交流を求めて
「若者と話す機会がなかなかないので、『納涼祭』や『文化祭』など、世代を超えた交流の場がもっとあれば」と平井さん。
特に、遊んでいる田んぼの担い手になってほしいという思いが強く、「若手農業者との連携も進めていきたい」と考えています。
■ 昔の旭、そして今
「昔は“旭メロン”や“旭トマト”も有名で、たくさん売れていた」と懐かしそうに話す平井さん。
「なごみの里あさひ」も開設当初は追加注文がくるほどの人気ぶりでした。
しかし今は、漬物を作る人も減り、食生活の変化、さらには気候変動で作物の収穫時期が変わるなど、様々な課題にも直面しています。「こうした変化に合わせた野菜の作り方や品種の選定も、これからはますます大事になる」と語ります。

■「今も勉強中」この言葉がすべてを語る
取材を終えて印象に残ったのは、やはり「今も勉強中」という言葉です。
長年農業に携わってきた平井さんが、今もなお学び続けている。その姿勢こそが、旭の農業の未来を照らしているのだと感じました。
最後に「みんなから聞かれることは嬉しい。いやとは言えないので~」と、恥ずかしそうに笑う姿に、周囲から信頼される理由が詰まっていました。
平井精一さんは、まさに「旭農業の源(みなもと)」ともいえる存在。
これからも、旭町の活性化と農業の未来のために、どうかその力を貸していただきたいと思います。