2024/09/27 旭町を元気に
夢を描くことから始まる ~川勝義郎様~
私は、普段「夢絵巻」や「ふるさと街づくり連絡協議会」の話を聞いてはいたものの、実際にどのように進められたのかを知りたくて、詳しい人を尋ねたところ「それは川勝義郎さんだ」と教えていただきました。そこで、平成18年から平成25年まで旭町の自治会長を務めた川勝義郎さんにお話を伺いました。
川勝義郎さんの時代の旭町
川勝さんが自治会長だった頃、旭町では何があるとすぐに「やってみよう!」という声が上がるほど、行動力のある住民が多く、みんなで積極的に取り組めたそうです。
なごみの里あさひの誕生
旭町では、空き地(現 なごみの里あさひ)の活用方法を巡って様々な意見が出ていました。例えば「老人ホームを作ろう」という声もありましたが、敷地が狭くて実現できませんでした。次に「旭町で作ったものを販売できる場所を作ろう」といった意見が出ましたが、具体的にどのような施設にするか決まらないままでした。そこで、農業工学研究所の意見を取り入れて、現在の「なごみの里あさひ」という施設が誕生しました。
旭町の活性化への取り組み
もともと「なごみの里あさひ」の場所は、旭町だけの集落排水処理施設の予定地でした。しかし、亀岡市がもっと広い範囲の処理場を計画されていたので旭町も川東処理場に結論が出ました。空き地になった場所の有効利用を亀岡市に相談を持ち掛けました。その結果、京都府の紹介で農業工学研究所と繋がり、「旭町の地域活性化について」具体的に話し合いを始めることになりました。
まちづくりの具体的な活動
その後、地域の活性化を目指し、「まちづくり勉強会」や「ワークショップ」を何度も開催し、住民同士が集まり意見を出し合いました。今でも自治会講堂に貼ってある「旭町みらい散策マップ」は、その取り組みの成果の一つです。活動の中で、地域づくりのキーワードとして「旭町の魅力 あったらいいなーこんなもの」キーワードに掲げられました。
ふるさと街づくり連絡協議会の設立
こうした勉強会を続ける中で「一つの組織を作ろう」という案が出て、「ふるさと街づくり連絡協議会」が設立されました。この協議会は「地域コミュニティ部会」「地域農業推進部会」「環境美化部会」の3つの部会に分かれ、それぞれの部会が役割を担いながら、旭町をより良くするための活動を進めていきました。
「夢絵巻」の意味
「夢絵巻」という名前には、「こういうことをやりたいな」「こんなふうになったらいいな」といった頭の中に描いた夢を一つずつ実現していく、という意味が込められています。「夢を描く」ことが、未来につながる第一歩だという考えです。この「夢絵巻」の由来を聞いたとき、私はとても感動しました。大人も子どもも関係なく、どんな小さなことでも思い描いた夢を少しずつ形にしていくことの大切さを実感しました。
叶えられなかったこと
最後に、川勝さんに「自治会長として、叶えられなかったことは何ですか?」と伺いました。川勝さんは「人と人とが交流できる場所を作れなかった」と話されました。その理由として、以下の点を挙げられました。
- 旭町の歴史や文化を若者たちに伝える場所がなかった
- 同年代の住民同士が気軽に集まれる場所が少なく、世代間の交流も不足していた
このような場があれば、地域の伝統を伝えたり、高齢化が進む中でも住民同士が健康を保ちながら繋がれるきっかけになったかもしれません。
最後に
川勝義郎さんのお話を通じて、旭町の取り組みと夢を知ることができ、感動しました。地域の方々が力を合わせて行動してきたこと、そして夢を描き続けることの大切さを学びました。
川勝義郎さんは、旭町が、住民みんなが「戻りたい( I shall return)」と思える場所であり続けることを願っています と締めくくられました。